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これだけ押さえておけば安心!デザイン業界の専門用語について

どの業界にも専門用語はありますが、もちろんデザイン業界にも普段使い慣れない言葉が行き交っています。

直接打ち合わせをしていて、わからない言葉が出てくればわたしはすぐ質問するようにしていますが、事前に知っておけば打ち合わせもスムーズなのになと感じたことが多々あります。

デザイナーになりたての方や、これからデザイナーを目指しているという方に向けて、よく使われている業界用語をご紹介します。




デザイン制作時

ラフ

ラフとは、アイディアを出したあと、自分で手書きやデジタルでざっくりレイアウトを書いたもののことです。人によってはラフがほとんど完成形の場合もあり、「こんな感じで作って欲しい」と相手に形にして伝えるためのものです。

ラフを共有しておくと、完成したあとのイメージの相違が少なく、修正回数も少なく済みます。

カンプ

カンプとは、「アンプリヘンシブ・レイアウト」の略で、デザイン制作したものをクライアントに確認してもらうためにプリントアウトしたもの(もしくはpngやjpgに書き出したもの)のことを言います。

ラフはまだ未完成の状態で、デザインの方向性を決めるもので、カンプはラフを元にデザイン制作し完成したものを指します。

トンマナ

トンマナとは、「トーン&マナー」の略で、デザインの色味・雰囲気やフォント・コンセプトに一貫性を持たせることを言います。

ブランディングにおいて、トンマナは非常に重要です。企業において「この企業っぽい!」と感じるのは、トンマナが整っているからです。

わたしは10年ほどデザイン業界にいますが、「トンマナ」という言葉を知ったのはほんの数年前です。

シズル感

シズル感とは、食べ物や飲み物の写真で「より購買意欲を刺激するような感じ」のことを言います。ただ綺麗に写った写真というよりも、見るだけで五感を刺激するような写真が「シズル感のある写真」です。

アタリ

アタリとは、デザイン制作する上で、一時的に使用する画像やイラストのことです。本物の素材を提供してもらうまでのダミーを入れておくことを言います。

あしらい

あしらいとは、デザインにおいての「装飾」のことです。絶対必要ではないですが、入れたほうが雰囲気や凝った感じが出るので、わたしはなるべくあしらいを入れるようにしています。ちなみに、下図のような囲いのことを「飾り罫(かざりけい)」と言います。これもあしらいの一種です。

カクハン

カクハンとは「角版」と書き、写真やイラストを正方形または長方形のカタチで使用することを言います。角を丸くしたり、正円で切り抜くと、カクハンではありません。

Q数(きゅうすう)

Q数とは、級数とも書き、文字の大きさを表す単位のことです。1級は0.25mmです。昔の写植時代によく使われていた単位で、写植時代からデザイナーをされている方はQ級を使います。

「Q数を大きく」というのは、文字を大きくするという意味です。

ペラ

ペラとは複数ページのものではなく、一枚の用紙でできている印刷物のことです。

校正

校正とは、デザインしたものの文字や内容などに間違いや不具合がないか、原稿と見比べながら確認・修正することを言います。「文字校正」とも言います。特に紙の印刷は印刷してしまったら修正ができないので、校正作業は非常に大事です。

「校正お願いします」と言われたら、穴があくぐらいまでわたしはチェックするようにしています。

金赤(キンアカ)

金赤とは、CMYKで指定する場合、マゼンタ100%・イエロー100%で表現される「赤」のことを言います。

ウェイト

文字の太さのことを言います。太さは細いものからL(Light)R(Regular)M(Midium)B(Bold)H(Heavy)とあります。

モリサワ

印刷業界でよく使われている有料フォントを販売している会社名。紙系のデザインはほとんどモリサワフォントを使ってデザインされていることが多い。

ぼけあし

写真をだんだんぼかした時の、ぼけていく部分のことを指します。

ルビ

漢字のふりがな用の小さい文字。「ルビを振る」は「漢字に振り仮名用の活字をつける」という意味。

白抜き

画像または色のついた背景の上にある文字や装飾が白である状態のこと。印刷では白というインクはなく、CMYKのどの版にも色がのらないことから、「白抜き」と表現されるようになったようです。

また、写真の白抜きとは、写真の背景を切り抜いた状態のことを指す。

ベタ

CMYKいずれかの数値が100%の色、またはCMYKのどれか100%を掛け合わせた色のこと(C100%、M100%、Y0%、K0%など)。100%でなくても、デザイン製作時に背景を1色に塗りつぶす場合も「ベタ1色で」と言うことがあります。

修正指示時

赤入れ

赤入れとは、修正指示を書くことを言います。DTP業界では、修正指示がわかりやすくなるよう赤色インクのペンで書くことが多いので、このような呼び方になったようです。

トル・トリ

トル(またはトリ)は、「削除」という意味です。

ツメ

ツメは詰めるという意味です。「トルツメ」はよく使われる言葉ですが、「取ってその空いた分詰める」という意味になります。修正は端的にわかりやすく、ということから略されたのかもしれませんね。

ママ

デザイン業界での「ママ」はお母さんではなく、「そのまま」の意味です。「今の状態のまま置いておく」ことを指します。

イキ

イキは「生き」と言う意味で、そのまま生かしておく、ということを指します。「ママイキで」と言われたら、そのままの状態で残しておくことを指します。

テレコ

テレコとは、「入れ替える」という意味です。「この写真テレコで」と言われたら、写真を入れ替えることを指します。

マージン

マージンとは、ビジネス用語では「手数料」という意味ですが、デザイン・WEB業界では「グループを分けるための余白」のことを言います。

カーニング

カーニングとは、文字の間隔を調整する際に使用するツールのことです。カーニングを調整することで、文字間の空きやつまり具合を調整することができます

実際のところ

ざっくりとわたしが普段使っていたり、「意味がわからなくて」といった声をよく聞く言葉をご紹介しました。業界に長くいる人ほどこういった専門用語を専門用語と思わず使用する場合が多いので、最低限ここに載せた言葉は覚えておきましょう。

ABOUT US

mmm-designグラフィックデザイナー
mmm-design(スリーエムデザイン)代表のフリーランスグラフィックデザイナー。日々の制作実務の経験を元にグラフィックデザインスクールの講師やチラシ講座を開催しています。初心者の方にもわかりやすくをモットーに記事を書いています。